ハラスメントとその防止について

仕事柄、セクシャルハラスメントやパワーハラスメントの相談や研修の依頼を受けることやがあります。

ハラスメントの語源は、英語の「harass」だそうです。
「harass」は「(嫌がらせなどで)困らせる、悩ませる」ということです。

ある行為によって、その行為の相手方を困らせたり、悩ませたりさせたりすることです。
その言動が激しく、繰り返され長期間に及んだり、人前で行われたりすると、受けた人は心や体に大きな傷を受けてしまいます。

 その影響でPTSDとなって、長年にわたって人を苦しめ続けることがあるとの研究も発表されています。
ハラスメントの行為者は大抵の場合、自分がハラスメントをしていることに気づいていません。
人が意図的にハラスメント行うのではなく、行為者は無自覚なまま、ハラスメントが行われ続けるのです。

一つのハラスメント行為の被害者は一人だけではありません。その影響は集団のなかに溢れでて、その集団そのものの活力を低下させ、萎縮させることもあります。

ハラスメント対策の難しさはそんなところにあります。

研修ではどういう行為がハラスメントにあたり、その行為で被害者に多大な影響があること、生産性が落ちてしまうことやその影響で人が辞めていく等の理解を求め、相談窓口の設置等の対策を勧めます。

しかしながら、それらの限られた範囲の対策ではハラスメントをなくことはできません。
ハラスメントをなくしていくには、組織全体で、その組織の成果は「良好な人間関係」あるいは「適切な組織マネジメント」「不断の人材育成」の結果であるという概念捉えなおすことが必要だと私たちは考えます。

ある個人に自覚を促すことではハラスメントを防ぐことはできません。

ハラスメントを防止するには、その集団(職場、学校、サークル)全体で取り組むことが重要です。
ハラスメント起こす人、ハラスメントの対象となる人、被害者の周りの人々、そして、その集団全体のマネジメントの仕方等さまざまな角度、視点からなぜその被害が生じたのかを明らかにする必要があります。
ハラスメントの原因は一つではありません

yoshinaga